賃貸物件での遺品整理、原状回復費用と負担はどうなる?

遺品整理

はじめに

賃貸物件で親族が亡くなった場合、遺族は遺品整理や原状回復の手続きを行わなければなりません。しかし、

遺品整理の費用は誰が負担するのか?
原状回復費用はどこまで支払う必要があるのか?
遺族が支払えない場合、どうすればいいのか?

こうした疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?

この記事では、賃貸物件での遺品整理の流れと、原状回復費用の負担について詳しく解説します。


賃貸物件での遺品整理の流れ

賃貸住宅で入居者が亡くなった場合、部屋の片付けと契約の解約手続きが必要になります。

🔹 遺品整理の基本的な流れ

ステップ作業内容
① 物件オーナー・管理会社に連絡入居者が亡くなったことを伝える
② 遺品整理を開始必要なものと不要なものを仕分ける
③ 遺品整理業者の手配(必要なら)業者に依頼して遺品を整理・処分する
④ 退去手続き家賃の精算、鍵の返却
⑤ 原状回復の対応修繕やクリーニングの負担を確認

💡 POINT

  • 亡くなったことを大家・管理会社に早めに報告する
  • 遺品整理の期限を確認する(契約終了日までに整理する必要あり)

遺品整理の費用と負担はどうなる?

賃貸物件では、遺品整理の費用は基本的に相続人が負担することになります。

🔹 遺品整理の費用相場

作業内容費用相場
1R・1K(ワンルーム)3万~10万円
1DK・1LDK5万~15万円
2LDK・3LDK10万~30万円

💡 POINT

  • 遺族が整理できる場合は費用ゼロ
  • 遺品整理業者に依頼すると数万円~十数万円の費用がかかる

原状回復費用の負担は誰がする?

🔹 原状回復とは?

賃貸物件では、退去時に部屋を元の状態に戻す「原状回復」が必要です。

通常の原状回復には、以下のような作業が含まれます。

壁紙の張り替え(タバコのヤニ、汚れ)
床や畳の交換(傷や汚れ)
ハウスクリーニング


🔹 原状回復費用は誰が負担する?

原状回復の費用負担は、入居者の死亡状況や契約内容によって異なります。

状況費用負担者
通常の汚れ・劣化(経年劣化)大家(オーナー)負担
喫煙によるヤニ汚れ相続人が負担(故意の汚れ)
設備の故障(入居者の過失なし)大家負担
孤独死による損傷・特殊清掃が必要な場合基本的には相続人が負担

💡 POINT

  • 経年劣化は大家の負担(壁紙の色あせなど)
  • 過失や事故による損傷は相続人が負担

特殊清掃が必要な場合の対応

🔹 孤独死や事故死があった場合

入居者が孤独死や病死で長期間発見されなかった場合特殊清掃が必要になることがあります。

特殊清掃の内容と費用

作業内容費用相場
消臭・消毒作業3万~10万円
床や壁の張替え10万~30万円
害虫駆除5万~10万円

🚨 費用の負担は?

  • 基本的には相続人が負担
  • 相続人がいない場合、大家が負担(ただし敷金が充てられることも)

💡 POINT

  • 早めに発見されれば、特殊清掃の費用は抑えられる
  • 火災保険・家財保険に「特殊清掃費用特約」があるか確認

相続人がいない場合の対応

もし相続人がいない場合、賃貸契約はどうなるのでしょうか?

🔹 相続人がいない場合の流れ

  1. 大家・管理会社が家庭裁判所に申し立て
  2. 相続財産管理人が選任される
  3. 遺品整理・原状回復費用は相続財産から支払われる
  4. 残った財産は国庫に納められる

💡 POINT

  • 相続放棄すると、原状回復費用の負担義務はなくなる
  • 相続財産が不足している場合、大家が負担することになる

遺品整理や原状回復の負担を減らす方法

遺品整理や原状回復費用の負担を減らすには、以下の方法があります。

生前整理をしておく
➡ 使わない物を処分し、整理しておくと負担が減る

火災保険・家財保険を確認する
➡ 特殊清掃費用をカバーする保険に入っておくと安心

大家と交渉する
➡ 原状回復費用について、大家と交渉して減額できる場合もある

相続放棄を検討する
➡ 相続放棄をすると、遺品整理や原状回復費用の負担義務はなくなる(ただし、故人の財産も受け取れなくなる)


まとめ

賃貸物件での遺品整理や原状回復は、状況によって費用負担が異なるため、慎重に対応することが重要です。

遺品整理の費用は相続人が負担(業者を使うと数万円~数十万円)
原状回復費用は「経年劣化なら大家負担」「過失があれば相続人負担」
特殊清掃が必要な場合は、費用が高額になることもある(火災保険の確認を!)
相続放棄をすると費用負担は回避できるが、財産も受け取れなくなる

早めに準備し、負担を減らせるように対策しておきましょう。

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