はじめに
近年、葬儀の形式が多様化する中で、**「直葬(ちょくそう)」**を選ぶ人が増えています。直葬とは、通夜や告別式を行わず、火葬のみで故人を見送るシンプルな葬儀です。
「お葬式をしないのは失礼ではないか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、費用を抑えられる・遺族の負担が少ないといった理由で、都市部を中心に直葬を選ぶ家庭が増えています。
この記事では、直葬の費用やメリット・デメリット、注意点について詳しく解説します。
直葬とは?基本的な流れと特徴
直葬の基本的な流れ
直葬は、一般的な葬儀とは異なり、火葬のみを行うシンプルな形式です。
🔽 直葬の流れ(一般的なケース)
- ご逝去(病院や自宅で亡くなる)
- 遺体の搬送(葬儀社が安置施設へ搬送)
- 安置・納棺(遺族が最後のお別れをする)
- 火葬場へ移動
- 火葬(火葬炉の前で簡単なお別れをする)
- 収骨(遺骨を骨壺に納める)
⚠️ 通常、僧侶による読経や焼香は行わないことが多いですが、希望すれば簡単な儀式を取り入れることも可能です。

直葬の費用相場
直葬の費用は、葬儀の中で最も低価格とされていますが、地域や選ぶ葬儀社によって異なります。
直葬の費用内訳
費用項目 | 費用の目安(円) |
---|---|
遺体搬送費(病院→安置施設) | 2万~5万円 |
ご遺体の安置(1日あたり) | 5千円~1万円 |
火葬料金 | 0円~5万円(自治体による) |
納棺・骨壺・棺代 | 5万~10万円 |
遺体保存処置(必要に応じて) | 1万~3万円 |
霊柩車の手配 | 2万~5万円 |
役所手続き代行 | 5千円~1万円 |
🟢 総額の目安:10万~30万円程度
🔥 一般葬(100万~200万円)と比べると、大幅に費用を抑えられるのが直葬の大きな特徴です。
直葬のメリット
1. 費用を大幅に抑えられる
- 葬儀費用が最も安い(一般葬の1/5~1/10の費用)
- 通夜や告別式の会場費・僧侶へのお布施が不要
2. 遺族の負担が少ない
- 葬儀の準備や参列者の対応が不要なため、精神的・肉体的な負担を軽減できる
- 遺族が高齢の場合でも対応しやすい
3. 少人数で静かにお別れできる
- 家族だけで故人を見送りたい場合に適している
- 大規模な式が苦手な人に向いている
4. 宗教・儀式にとらわれない自由な形
- 僧侶を呼ばず、宗教色を排したシンプルな見送りが可能
- 自宅やお墓での供養を自由に決められる
直葬のデメリットと注意点
1. 故人とお別れする時間が短い
- 通夜や告別式を行わないため、最後のお別れの時間が限られる
- 親族や知人が「きちんとお別れできなかった」と後悔することも
2. 親族や知人の理解が必要
- 「お葬式をしないのは非常識」と考える親族がいる可能性も
- 事前に親族と話し合い、トラブルを防ぐことが大切
3. 遺骨の供養方法を考える必要がある
- 一般的な葬儀なら「お墓に納骨」するのが一般的だが、直葬の場合は
- 永代供養(お寺に納める)
- 手元供養(自宅で保管)
- 散骨(海や山にまく)
など、事前に供養方法を決めることが重要
4. 火葬許可証の手続きが必要
- 死亡届の提出や火葬許可証の取得は必須(通常は葬儀社が代行)
- 手続きが遅れると、火葬までの時間が長引くことも

直葬を選ぶべき人の特徴
直葬が向いているのは、次のようなケースです。
✅ 費用を抑えたい(葬儀費用を最小限にしたい)
✅ 家族のみで静かに見送りたい(親しい人だけで送りたい)
✅ 故人が「葬式は不要」と考えていた
✅ 宗教儀式にこだわらない
✅ 遠方の親族が少なく、葬儀を行う意味が薄い
⚠️ ただし、親族間でのトラブルを避けるため、事前に意向を伝えておくことが重要です。
まとめ
直葬は、「費用を抑えたい」「静かに故人を見送りたい」という人に適した葬儀の形です。
🔽 直葬のポイントまとめ
✅ 費用は10万~30万円程度と、一般葬より大幅に安い
✅ 通夜・告別式を省略し、火葬のみを行うシンプルな形式
✅ 遺族の負担が少なく、準備や対応の手間がかからない
✅ お別れの時間が短いため、事前に親族と話し合うことが大切
「どんな形で見送るのが故人や家族にとって最善なのか?」をしっかり考え、納得のいく選択をすることが重要です。
コメント